生糸づくり ー 大音特殊生糸組合(滋賀県長浜市)ー

生糸とは繭をときほぐし数本を束ねた糸のこと。

その生糸づくりを平安時代から継承する滋賀県長浜市木之本町伊香具地区。

この地区にある余呉湖には天女が舞い降りたとされる羽衣伝説が残っています。

 

生糸は主に三味線や琴、琵琶といった弦楽器の弦、カラクリ人形の操り糸などに用いられ、

日本の伝統芸能を支える要のひとつとなっております。

耐久性と弾力性に優れている為、昭和初期から戦後までは墨壺糸、パラシュートの糸、医療糸などにも使われていました。

用途上高い強度を保たなければならない為、その地区ならではの繭から繊維をほどき生糸にする

「座繰」と呼ばれる技法が用いられます。

作業者の背後にある2つのリールで同時に巻き取る「後達磨」といわれる座繰器を使用します。※画像参照

座繰でつくられた生糸は「いかぐ糸」と呼ばれ、12もの工程を経て弦に仕上げられます。

その弦は現在の邦楽器市場においても大多数を占めています。

邦楽器の美しい音色が心に深く響くのは、演者の技術といかぐ糸職人たちの丁寧なモノづくりの重ね合わせがあるからでしょう。

 

髙野修一