日本のバイク名車とモノづくりー目黒製作所(那須烏山市)ー

1926年(大正15年)、東京府荏原郡目黒村(現・東京都品川区不動前駅周辺)で創業した日本初の大型バイクメーカー『目黒製作所』。

創業以前は輸入車のメンテナンスや部品製造等を手掛け、持ち前の高い品質や技術を生かしバイク製造に至ります。

目黒製作所の完成車第一号車は「Z97」。日露戦争で活躍した海軍のZ旗と皇紀2597年から取った型式です。

量産体制が整うとその名に相応しい優れた性能が評価され、白バイや軍用車にも採用されました。

やがて大東亜戦争が始まり、現在の栃木県那須烏山市へ工場疎開。戦後は後発の競合メーカーとの市場争いに苦戦し、経営不振に陥り、川崎航空機工業(現・川崎重工業)に吸収され、事実上『目黒製作所』は消滅してしまいました。

そのメグロが昨年2月に復活、「MEGURO K3」として発売されました。最新技術を取り入れたカワサキの記念モデルとは言え、エンジン形状や全体的なフォルム、タンク脇のエンブレム(吸収合併前のデザイン)等、往年のメグロの歴史を引き継いでおります。

また、今年の5月28日に疎開地の那須烏山市にて、カワサキから寄与された大看板(幅4.5m×高さ2.8m)の除幕式が行われ、多くのファンやメグロオーナーが集まりました。

60余年時を経て、なおも愛されるメグロ。先人達のモノづくりへの情熱、努力、苦労の結晶といえる技術が色あせない魅力となっているのでしょう。その技術が基軸となり、最新技術との重ね合わせが名車の復活につながったことは喜ばしい限りです。

髙野修一