鋳物の街として400年以上の歴史がある富山県高岡の高岡銅器。
鋳物とは溶かした金属を型に流し込み、冷却して固めた金属製品を指します。
高岡銅器とは、その地で生産された金属類で作られた伝統的工芸品の総称です。
今回ご紹介させて頂くのは錫製の酒器。
錫は有害物の溶出がなく、抗菌作用がある為、昔は水の浄化や薬を貯える容器などに使われたり、
神様に捧げる進物としても扱われてきました。
錫器に入れたお酒は雑味が抜け、味がまろやかになると言われています。
高岡銅器の酒器は、職人たちが培ってきた伝統技術「砂型鋳物」で作られます。
鋳肌は梨地といって梨の皮のような肌となり、職人によって一品一品繊細に磨き上げられ、
きめ細やかな艶と光沢を帯び、やわらかな口当たりを実現します。
受け継がれてきた鋳造方法、加工技術、職人の思いと現代の技術の重ね合わせが、
深い味わいを醸し、その美しさで食卓を彩ります。
酒器:株式会社ナガエ
テーブルコーディネート:MAMI MITSUDA
テーブルウェアフェスティバル2022
髙野 修一