花火

日本の夏を彩る風物詩、花火。

 

夜空いっぱいに広がる花火を日本人が楽しむようになったのは江戸時代。

江戸時代の平和と安定は、火薬の姿を人を殺める「武器」から美しい「花火」へと変えました。

海難や水泳の守り神を祀る「水神祭」の余興でもあり、江戸時代後期からは疫病の「コロリ(コレラ)」の犠牲者の慰霊や退散の意味も併せ持っていました。

大空の闇を照らす鮮やかな火は迫力ある音と美しい光を放ち、いつの時代も見る者全ての心を躍らせます。

今のご時世だからこそ、大きな花火で新型コロナを吹き飛ばしてほしいものです。

一方、日本には大勢で派手に楽しめる打ち上げ花火の他に、静かに楽しめる線香花火もございます。

火をつけてから落ちるまでの燃え方には、「蕾」「牡丹」「松葉」「散り菊」とそれぞれ名が付いており、人の一生を表していると言われてます。

元来は香炉に立てて楽しんだ「スボ手牡丹」が原型で、最近は和紙を撚って火薬を包んだ「長手牡丹」が主流となってます。

手元で儚く燃え尽き消え去ってゆく小さな線香花火にも、日本らしい情緒が流れているのです

来年は、様々な花火に照らされた皆様の大輪の笑顔が花咲く日本らしい夏でありますよう心から願います。

(髙野修一)