日本酒

画像:作(ZAKU) 伊勢志摩コンセプト 三重県鈴鹿市 清水清三郎商店

※伊勢志摩サミットで各国首脳に振舞われた日本酒が「作」。

飲む人やそれを提供する人たち、出会った皆で作り上げる酒という願いを込めて「作( ざく)」と名付けられた。

 

最近、ご自宅で食事をされる方、お酒を楽しむ方が増えました。
外食産業へ休業、営業時間短縮の要請が出たことや外出自粛の影響により、外で飲食する機会が激減した為です。
現在一部ですが、馴染みのお店の味はテイクアウトして自宅で楽しむことが出来ます。お酒に至っては各々別の場所にいながら、WEB上に集まったり、SNSのライブ配信であったりとバーチャルリアリティで様々に楽しむIT社会ならではの新しい飲み方が確立されました。

酒の好みも人それぞれある中、日本で一番古くから飲まれている酒は言わずと知れた日本酒です。起源を辿ると古事記や日本書紀まで遡れる歴史があります。日本酒を造ることを「醸す」といい、その由来は新海誠監督作品の「君の名は」でも登場した口噛み酒の「噛む」からきている説があります。古に巫女のみが許された口噛み(発酵)で造られた酒は神様へ捧げられていました。現在もその余波(なごり)があり、神聖なものとされる酒は神社に奉納され、神事の後にご神気が宿った撤酒(神様のお下がり)として頂ける天の美禄となります。その酒を介し、より神々(自然)との繋がりを深めるという宴が直会です。

日本酒は米と水から出来ています。杜氏はじめ酒造りの職人たちは、その土地の気候、地形、土壌、水源等の自然を知り、育まれた作物を吟味し、試行錯誤しながら選別し製法を練り、風土に沿うその地域ならではの日本酒を造ります。
地域性は酒造りに付随する貯蔵法や酒器、飲み方、地のものにも「ならでは」や「らしさ」を反映します。酒を肴に合わせて造るのか、酒に合わせた肴が出来るのかは何れにしても、地酒には地のものが相応しいでしょう。

日本酒の歴史は稲作の歴史に繋がり、その土地の文化を映し出します。受け継がれていく日本らしさ、地域らしさの象徴のひとつとも言えるでしょう。機会を見つけて、生産地で土地神様のご相伴にあずかり、地の言葉を聞き地のものを頂き、その歴史に思いを馳せ飲むのも一興かと存じます。

今の騒動が収束し、良き方向へと進み、皆様が旨い日本酒で寿げる日が一日も早く訪れますよう心から祈念致します。
(髙野修一)